放射線防護学入門 2011 4 17

書名 お母さんのための放射線防護知識
     チェルノブイリ事故 20年間の調査でわかったこと
著者 高田 純  医療科学社

 放射線防護学というと、専門的で難解というイメージでしょうか。
確かに、こういう分野の本は、専門家向けで、わかりにくかったと思います。
 しかし、本当は、これでは間違いだったのです。
原子力発電所がある国では、
放射線防護学は、一般の人にも、なじみがある学問とすべきだったのです。
 にもかかわらず、政府も、東京電力も、
原子力発電所の反対運動を恐れて、こうした学問を一般化することなく、
専門家だけの世界に閉じ込めてきたと思います。
 さて、この本は、ページ数は62ページですので、
小冊子と言ってもよいでしょう。
中身も、難しい漢字には、振り仮名があり、
中学生にも読めるような配慮があります。
また、行間も広く、高齢者にとっても読みやすいと思います。
 日本には、原子力発電所が多数あるので、
本来であれば、このような小冊子が、
どの家庭にも置いてあるべきだったと思います。
 今回の原子力発電所の事故で、
国民の間に、不安と恐怖が広まってしまったのは、
「知識がないからこそ、不安になった」という面が大きかったと思います。
 この本では、原子力大国であるフランスの取り組みが紹介されています。
原子力発電所の事故は、あってはならないものですが、
万が一、起きた場合に備えて、日ごろから十分な備えがあり、
「原子力防災」という分野において、先進性があります。
 日本は、まだまだフランスから学ぶものが多いと思います。
原子力防災という分野だけでなく、
危機的だった少子化を克服したこと、
あるいは、農業大国として成功していることなどです。
 話が戻りますが、
この本の特徴として、放射線防護学の話をする時、
必ず出てくる「線量、半減期、放射能、放射線」という専門用語を、
身近な「たとえ話」で解説しているところが、すばらしいと思います。































































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